日々たれながし
ある日、獄寺隼人は気がついた。
今日も今日とて、獄寺は10代目に絡んできた不良どもをダイナマイトで吹っ飛ばした(また、彼の主は毎日のようによく絡まれるのだ)。
風向きといい、爆発の威力といい、一般人や建物などには一切傷をつけることもなく、もちろん10代目には塵一つかからないような見事に計算しつくされた爆破だったのだが。
我ながら、よくできたと思う。
だが、しかし。
「だ、ダメだってば獄寺君、街中で吹き飛ばしたりなんかしたらーーーーー!!」
ツナは半泣きになって叫んだ。
「す、すいませんっ」
思わず謝った獄寺だが、いまいち自分がなぜ叱られたのかも分からなかった。
だって自分は、10代目をお護りするために存在するのだ。
だから、彼を傷つけようとする存在なんて獄寺にとっては決して許すことのできない、むしろ寄るな触るな生きる価値なし!な奴らなのだ。
なのに、10代目は。
よく分かってない自分を見て、なぜか微かに悲しそうな表情をしたのだ。
その表情に気付いた獄寺は、心底傷ついた。
自分は何か間違っているのだろうか?
獄寺は夜も眠れないほど悩みに悩んで、とことん悩んで、空が明るくなってきても悩んで……
ちゅんちゅん、とすずめがのどかに鳴くのを聞きながら、獄寺は思った。
そうだ、分からないことは10代目に聞いてみよう。
俺が分からないことでも、10代目なら答えを出してくださるに違いない!そうだそうしよう!
いまいち本末転倒な気がしないでもないが、獄寺は寝不足でぼんやりした頭でそう決意したのだった。
つづく……
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