日々たれながし
「やっほーーー!!鬼男君ハッピーハロウィーーーンッ♪」
「おわあっ!?なんだお前キチ○イか!?」
「辛辣すぎるよ!?ちょ、いきなり放送禁止用語で罵るってどういうこと」
「誰だって『ちょっと待っててねv』つって仕事中ふらりといなくなった上司がそんな格好して戻ってきたら思わず口も滑りますよ」
「そんな格好って……正統派吸血鬼スタイルだよ?ほーらキバキバ。マントマント」
「はあ……なんだってまたそんなすっとんきょうな格好してきたんですか。言っときますけど冥界でめっちゃ浮いてますよ」
「うっ……だ、だって今日はハロウィンじゃないか!」
「……ハロウィン……?」
「………え?ひょっとして、ハロウィンって知らない?」
「すいません、勉強不足で」(←※学園日和前です)
「ハロウィンっていう、秋の収穫を祝ったり悪霊を追い出すお祭りなんだけどね。そのときに、カボチャをくり抜いてランタンを作ったり子ども達が仮装して家々を訪ね歩いたりするんだよ。『Trick or Treat?』って言いながら。お菓子をくれなきゃいたずらするぞってね」
「へー」
「というわけで、Trick or Treat!」
「……ちょっと待ってください。お菓子をあげないとどうなるんですか」
「そりゃあもちろんいたずらするよ!!性的な意味でな!!」
「それか!それが目的か!!」
「くっくっく、さあどうする……?いたずらを回避したければお菓子を与えるんだな…!まあ、持ってるわけないよねーっ、ハロウィーンも知らなかったんだもんねーっ♪」
「くそっ、汚ねえぞ!ってゆーか、それは子どもがする問いかけなんじゃないですか!?実年齢不明のオッサンがするもんじゃねーだろ!」
「ふふ~ん、鬼男君へいたずらするチャンスのためなら、オレはいつだって『僕8歳デス☆』と答える覚悟がある!!」
「駄目だ!こいつ本当駄目だ!!」
長い時を生きる中でどうやら恥という大事なものをどっかへ置いてきてしまったらしい上司を前に、鬼男は焦って唇を噛んだ。
頬を一筋の汗が流れる。
このままではいたずらされてしまう…っ
(どうすべきか……)
調子にのった閻魔のえっちはしつこいので遠慮したい(ヒドイ)。
得意満面顔の閻魔もムカつく。
(こうなったら刺し違えてでも奴を倒すしか!!)
鬼男が男らしい決意を固めたとき。
「おや、鬼男殿。お困りのようですね」
通りすがりの篁がするりと鬼男の手に小さなチョコを落としていった。
「!!」
「!?……た、篁このやろーーーっ!何すんだ!」
「ふふふ、私はこんな時のためにここで働いてるんですよ!ああ楽しい(笑)」
高笑いしつつ去ってゆく篁の背中に感謝の視線を送り、鬼男は会心の笑みで閻魔と向き直った。
「さあ、お菓子はありますよ!いたずらは勘弁してもらいますからね!」
「うう………っ」
閻魔は突き出されたチョコにくしゃりと顔を歪めた。期待していた分ガッカリ感も強い。
(せっかくいたずらできると思ったのにー)
第二秘書への恨みを胸に刻みつつ、肩を落とす。
「………」
あまりにしょんぼりとした様子に、鬼男は、何とも言えない気持ちになった。
呆れたような、可哀想なような、嬉しいような、むずかゆい気持ち。
鬼男は、手の中の小さなチョコを見て、黙って包みを解いた。
「あーん」
パッと顔をあげてきょとんとした顔をする閻魔の口元にチョコをつまんで近づける。
途端に笑顔になる閻魔。
「えへへ」
ぱくりとチョコに食いつく閻魔に、鬼男はため息をついて見せた。
「気は済みましたか?……ってゆーか今仕事中だボケェッ!さっさと着替えてこい!!」
「むぐはーい」
怒声を浴びながら、慌てて走り出す。
口の中には、甘いチョコ。
解けるのが少しもったいない。
「おわあっ!?なんだお前キチ○イか!?」
「辛辣すぎるよ!?ちょ、いきなり放送禁止用語で罵るってどういうこと」
「誰だって『ちょっと待っててねv』つって仕事中ふらりといなくなった上司がそんな格好して戻ってきたら思わず口も滑りますよ」
「そんな格好って……正統派吸血鬼スタイルだよ?ほーらキバキバ。マントマント」
「はあ……なんだってまたそんなすっとんきょうな格好してきたんですか。言っときますけど冥界でめっちゃ浮いてますよ」
「うっ……だ、だって今日はハロウィンじゃないか!」
「……ハロウィン……?」
「………え?ひょっとして、ハロウィンって知らない?」
「すいません、勉強不足で」(←※学園日和前です)
「ハロウィンっていう、秋の収穫を祝ったり悪霊を追い出すお祭りなんだけどね。そのときに、カボチャをくり抜いてランタンを作ったり子ども達が仮装して家々を訪ね歩いたりするんだよ。『Trick or Treat?』って言いながら。お菓子をくれなきゃいたずらするぞってね」
「へー」
「というわけで、Trick or Treat!」
「……ちょっと待ってください。お菓子をあげないとどうなるんですか」
「そりゃあもちろんいたずらするよ!!性的な意味でな!!」
「それか!それが目的か!!」
「くっくっく、さあどうする……?いたずらを回避したければお菓子を与えるんだな…!まあ、持ってるわけないよねーっ、ハロウィーンも知らなかったんだもんねーっ♪」
「くそっ、汚ねえぞ!ってゆーか、それは子どもがする問いかけなんじゃないですか!?実年齢不明のオッサンがするもんじゃねーだろ!」
「ふふ~ん、鬼男君へいたずらするチャンスのためなら、オレはいつだって『僕8歳デス☆』と答える覚悟がある!!」
「駄目だ!こいつ本当駄目だ!!」
長い時を生きる中でどうやら恥という大事なものをどっかへ置いてきてしまったらしい上司を前に、鬼男は焦って唇を噛んだ。
頬を一筋の汗が流れる。
このままではいたずらされてしまう…っ
(どうすべきか……)
調子にのった閻魔のえっちはしつこいので遠慮したい(ヒドイ)。
得意満面顔の閻魔もムカつく。
(こうなったら刺し違えてでも奴を倒すしか!!)
鬼男が男らしい決意を固めたとき。
「おや、鬼男殿。お困りのようですね」
通りすがりの篁がするりと鬼男の手に小さなチョコを落としていった。
「!!」
「!?……た、篁このやろーーーっ!何すんだ!」
「ふふふ、私はこんな時のためにここで働いてるんですよ!ああ楽しい(笑)」
高笑いしつつ去ってゆく篁の背中に感謝の視線を送り、鬼男は会心の笑みで閻魔と向き直った。
「さあ、お菓子はありますよ!いたずらは勘弁してもらいますからね!」
「うう………っ」
閻魔は突き出されたチョコにくしゃりと顔を歪めた。期待していた分ガッカリ感も強い。
(せっかくいたずらできると思ったのにー)
第二秘書への恨みを胸に刻みつつ、肩を落とす。
「………」
あまりにしょんぼりとした様子に、鬼男は、何とも言えない気持ちになった。
呆れたような、可哀想なような、嬉しいような、むずかゆい気持ち。
鬼男は、手の中の小さなチョコを見て、黙って包みを解いた。
「あーん」
パッと顔をあげてきょとんとした顔をする閻魔の口元にチョコをつまんで近づける。
途端に笑顔になる閻魔。
「えへへ」
ぱくりとチョコに食いつく閻魔に、鬼男はため息をついて見せた。
「気は済みましたか?……ってゆーか今仕事中だボケェッ!さっさと着替えてこい!!」
「むぐはーい」
怒声を浴びながら、慌てて走り出す。
口の中には、甘いチョコ。
解けるのが少しもったいない。
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