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日々たれながし
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          山本          、   



ツナ(以降ツ)「おはようございます、レポーターの沢田綱吉です」
獄寺(以下獄)「おはようございます!!レポーターその2の獄寺隼人です!」
ツ「ごめんね、獄寺君についてきてもらっちゃって………朝弱いのに」
獄「いいえ!いくらリボーンさんの修行だとはいえ、10代目だけにやらせるわけにはいけません!」

         右腕として!と力む獄寺、苦笑するツナ

ツ「今日は、野球部のエース、山本武さんのお宅です」
獄「わざわざ10代目に起こしてもらうなんて、野球バカのくせに身の程をしれって感じですよね!!」
ツ「ちょっ!?な、なに言ってんの獄寺君!シーッ」
獄「す、すいません……」
ツ「えと、山本のうちはお寿司屋さんなので、朝早くから開いています。では、さっそく行ってみましょう!」

         ガラガラ~っと、店の戸を開けて入ってゆく二人。

ツ「おはようございま~っす」
山本父「おやっ!?ツナ君に獄寺君じゃねーか!どうしたってーんだい?こんな朝早くから」
ツ「あ、あはは~………これには色々と深いワケがありまして…………」
山本父「?」
獄「おいおっさん、野球バカはもう起きてんのか?」
ツ「ちょっ!!獄寺くん!」(汗)
山本父「武かぁ?武なら、今日は朝練もねえから、まだぐーすか寝てるが……ひょっとして二人して起こしにきてくれたのかい?」
ツ「あ、は、はい。そうなんです」
山本父「……そうかあ……」

         ううむ、と腕を組んでツナをじっと見る山本父

ツ「あ、あの……?」
山本父「うん、いや………ツナ君なら大丈夫だろ!」
ツ「へ?」
獄「何言ってやがんだ?」
山本父「いやいや~がんばってくれよ!ハハハッ」

         不審な山本父に首をかしげながら、山本の部屋へ向かうレポーターたち

ツ「おはようございま~す………」
獄「邪魔するぜ」

         そろそろと山本の部屋のふすまを開ける。山本の部屋は和室である。

山本(以下山)「クカー」
ツ「うん、よく寝てるね」
獄「さっさと起こして済ませちまいましょうよ」
ツ「う、うーん……そうだね、悪いけど起こそうか」
獄「はい!任せてください!       おら、起きろ野球バカ!!」

         山本の首元を引っつかんで起こそうとする獄寺

ツ「ちょっ!そんな乱暴な!」

         シャキィンッッ!!

獄「な!!?」

         そのとき、山本がすばやく枕元のバットを構えた。瞬時に真剣へと変化するバット

ツ「や、山本のバット!?」
獄「あ、あっぶねえ!!てめぇ山本、どさくさにまぎれて10代目の右腕を奪うつもりだな!?そうはいくか!!」
ツ「えええ、そういう問題!?」

         クカー

ツ「……………」
獄「……………」
ツ「……………寝てる?」
獄「……………そうみたいっスね」
ツ「ななななんで!?どうなってんのーーー!?」
リボーン「本能だな」
ツ&獄「どわああっっ!!」

         突然現れるリボーン

ツ「リ・リ・リボーーン!?いつのまにそこに!?」
リボーン(以下リ)「キャップと呼べ」

         ボカッ

ツ「いったあ!キャップ!!………っそれで、本能ってどういうことだよ!?」
リ「寝ていても、自分への害意に反応したんだろ。まさに生まれもっての殺し屋だな」
ツ「な、なに言ってんの!?てゆーかどうすんだよ!?」
獄「そーっスよ、リボーンさん!これじゃ起こすどころじゃないっスよ!」

         チャキリ、と山本が隙なく刀を向ける。ただし、顔は平和そうな寝顔だ。

ツ「や、山本~っ!どうすんだよ、キャップ!!」
リ「うっせぇ。ごちゃごちゃ言ってねえで死ぬ気で突っ込め」
ツ「へ?」

        ドカッとツナを蹴っ飛ばすリボーン

ツ「ぎゃあっ!!」
獄「ちょ、リボーンさん!?10代目が!!!」

        しかし。ツナが近付くと、山本はポロリと刀を落とし、そのまま、

        ツナをむぎゅっと抱きしめた

ツ「むぐっ」
獄「ギャーーーーーーッ!!何してやがんだてめえーーーーー!!?」

        じたばたと暴れるツナだが、山本は離す様子がない

獄「は、は、離せーーーーっっ!!」
山「クー」
ツ「や、山本っ」
山本父「おや、やっぱりツナ君は大丈夫だったか」

        騒ぎを聞きつけてヒョイっと顔を覗かせる山本父

ツ「ど、どーいうことですか!?」
山本父「いやあ、昔っから無理矢理起こそうとすると無意識に攻撃かましてくる息子だったんだけどなあ。ツナ君はよっぽど信頼されてるんだろうなあ」
ツ「え、そ、そうなんですか………?」(じいん)
獄「10代目ーーーーーーーっ!?信頼してるってだけなら何も抱きしめなくてもいいはずじゃないですかっ!しっかりしてくださいーーーっ」

        獄寺の悲鳴が響くなか、山本は定時刻に目覚ましが鳴るまで、平和に寝こけていたそうな。

        めでたしめでたし?

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