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日々たれながし
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シュタインズゲートのネタバレ感想です。
アニメ派の方、原作未プレイの方は要注意!!
うろ覚えなので間違っているところもいっぱいあると思います。すいません;
今回も長いです。

では以下反転します。


囁くような音をたてながら空から墓地に降る雨は、くすんだ景色をよりいっそう灰色の中に沈ませているようです。
大小立ち並ぶ墓石の中、ぽつんと鮮やかな水色の傘がありました。
目の前のお墓をぼんやりと見ているのは、一人の少女。
「まゆり?」
オカリンは、側に立ち、そっと呼びかけます。
けれど幼い少女は、まゆりはまるで何も聞こえていないように、ただお墓を眺めるだけ。
人形のような横顔。
「………まゆり」
まゆりが小学生の頃、大好きなおばあちゃんが亡くなりました。
両親は仕事で忙しく、なかなか構ってあげられなかったため、まゆりはすっかりおばあちゃん子になっていました。近所のオカリンが遊びに行っても本当の孫のように迎え入れてくれた、いつもにこにことした優しいおばあちゃん。
そんなおばあちゃんのお葬式の日から、まゆりは話しかけても何も答えず、始終ぼんやりとして、毎日おばあちゃんのお墓に来るようになってしまったのです。
雨の日も風の日も。
そして、オカリンもまたそんなまゆりが心配で、毎日お墓にやってくるのでした。
隣に立ち、何を話しかけていいか分からず、ただ名前を呼ぶオカリン。
目を離した隙に、ふっとどこかに消えてしまうんじゃないか。そんな考えが頭をよぎります。
「まゆり」
そっと呼びかけるオカリン。
その時、しとしとと降っていた雨が止み、雲の切れ間から光が差しました。
ずっと立ちつくしていたまゆりが、ふとその柔らかな光に顔を上げます。灰色の雲の間から降りる、光はまるで天国への階段のようで。
まゆりは、その光に手を伸ばしました。
(まゆりが行ってしまう)
そう思ったオカリンは、咄嗟にまゆりを抱きしめました。
水色の傘がほとりと地面に落ちます。
抱きしめたはいいものの、オカリンはパニックになってしまいました。こ、これからどうしよう!?
恥ずかしいやらドキドキするやら。でも、離したくなくて。
「ふ、フーーッハハハ!ままままゆりは、俺の人質だからな!勝手にどっかに行かないように捕まえていないとな!!」
混乱した頭で口から出てきたのは、以前に見たテレビの特撮番組に出ていた、悪のマッドサイエンティストのセリフでした。
まだおばあちゃんが生きていた頃。オカリンがその悪役の真似をすると、おばあちゃんは上手い上手いと褒め、まゆりは手を叩いて喜んだのでした。
「………そうなの?まゆしぃは、オカリンの人質、なの?」
ぽつりと手の中のまゆりが呟きます。
返ってきた反応に、オカリンはぎゅっと抱きしめる力を強めました。
「そうだ!まゆりは俺の人質だ!……俺は、マッドサイエンティストだからな!」
「そっかぁ……じゃあ、まゆしぃは、どこにも行っちゃいけないね」
「そうだぞ!」
まゆりは、ほろりと涙を流しながら、オカリンに笑いかけました。
それは、久しぶりに見たまゆりの笑顔でした。


ま、まゆりいいいいいいいいいいい!!
オカリン……!!(ぶわっ)
ううう、絶対助けてやるからなーーーっっ


脳みその中を引っ掻き廻されるような、強烈な頭痛と眩暈。吐き気。
悲鳴さえ上げられないような衝動は、しばらくすると波が引くようにすっと治まりました。
撃たれたはずの傷は跡形もなくなり、血の伝うどろりとした感覚も、痛みも、嘘のように消えます。
時間は、あの襲撃から数時間前。
オカリンはタイムリープに成功したのでした。
ところが。
オカリンは、襲撃のことを夢の中のことだと思ってしまいます。
ば、ばかあああああああああああああああ!!
あんな悪いことが、起こるはずがない。あれは、夢だったんだと。
だって、まゆりは今目の前で笑っていてくれている。
体には痛みも傷も残っていません。夢だと思いたい気持ちも、分からなくもありませんが……。
時計の針が進むにつれ、デジャヴどころではない、記憶の中そのままの光景が繰り広げられます。
テレビの臨時ニュース。席をはずす鈴羽。
隣に座り、笑うまゆり。心臓がドクドクと鳴り、嫌な汗が伝います。
そして、また襲撃。
オカリンは再びまゆりに辛い思いをさせてしまったことに悔し涙を流しながら再びタイムリープします(私も悔し涙です)。

再び数時間前。
今度こそ、オカリンはまゆりに連絡を取り、ラボから離そうとします。
しかし、まゆりの携帯にかけても留守電に繋がるだけ。るか子にかけると、直前まで一緒にいたがもう出発してしまったとのこと。
オカリンはじりじりしながらラボの前で待ちます。
ようやく帰ってきたまゆりの手を引き、秋葉原の街を走るオカリン。
とりあえず駅に向かったオカリンは、ぎょっとしました。人、人、人の大混雑です。
そういえば臨時ニュースでやっていた、爆破テロ予告(SERNの嘘予告なのですが)により電車が止まっているのでした。
オカリンは後悔しながら、別のルートで逃げようと走り出します。
しかし、秋葉原の町中に怪しい男たちが配置されていて、行く手を拒みます。不安そうにするまゆり。
安心させるように握る手に力を込め、オカリンは道路を渡ろうとします。
すると、衝撃。
萌郁たちSERNの乗る車が、オカリンとまゆりにぶつかってきたのでした。
朦朧とする意識の中、オカリンが目を開けると、地面に倒れるまゆり。血が流れています。
……もう、事切れているようでした。
オカリンは萌郁たちを振り切り、怪我で苦しみながらラボへ戻ってきます。
―――タイムリープ。

今度は、オカリンはタクシーで逃げようとします。
しかし、渋滞につかまりなかなか動きません。
タクシーから降りて走って逃げようか。それともタクシーに乗ったままがいいのか。
オカリンの脳裏に、町中に散らばっているSERNの追手の姿が浮かびます。
迷っているうちに、信号で止まったタクシーに萌郁たちが乗り込んできました。
抵抗する間もなくまゆりが刺されます。
「オカ、リン……」
一筋の涙をこぼして動かなくなるまゆり。
オカリンは殴られ傷をおいつつも、どうにか振り切ってラボに帰ります。
―――タイムリープ。

今度は、地下鉄で逃げようとします。
地上の電車とは違い、地下鉄はまだ動いているようです。財布にあるお金で、とにかく行ける所まで行こうと決意するオカリン。
「ねえ、オカリン?」
まゆりは不安そうにしながらも、何も言わずオカリンについてきてくれました。
「後で、ちゃんと何があったかお話してね?」
「ああ。約束だ」
「えへへ。それで、今日の宴会の続きを、またちゃんと―――」
まゆりが続きを話そうとした時。
「まゆりおねえちゃーーんっ」
ドンッと衝撃が走りました。
目の前から消えるまゆり。
ちょうど、入ってきた電車。

えっ

嫌な音がします。
何かがぶつかるような音、潰れるような音。
呆然とするオカリンの前で、がくがくと震えているのは……ブラウン管工房の一人娘、綯ちゃん。
何故?
どうして?
「わ、私そんなつもりじゃ……っ」
震える声で呟く綯。
この時の綯ちゃんのドアップCGに、心底肝が冷えました。
綯はよろよろとした足取りで走り去ってしまいます。
オカリンは、必死で止めようとする、心の中の声に耳を貸さず、何かに操られるようにホームの中を覗き込み……………。
―――タイムリープ。


喫茶店に入り、襲撃をやり過ごそうとすると、テロ予告で警戒していた警察官にテロと間違われ、いきなり撃たれました。
倒れ伏すまゆり。
こんなこと、この日本で、通常あり得るはずがありません。
―――タイムリープ。


時間まで、出来るだけ街の中を逃げ回ることにしました。
ほんの少しまゆりから目を離しただけで、まゆりの姿が消えてしまいます。
驚き、探し回るオカリン。
そんなオカリンに、一通のメールが送られてきます。
添付されていた画像を開くと、………古い新聞記事が。
緑の、ゼリー状になったまゆりの姿。
うわああああああああああああああああああ
―――タイムリープ。


襲撃前に、萌郁を呼び出しました。
銃のおもちゃで脅し、何故襲撃するのかを聞き出します。
タイムマシンを完成させたこと、そしてそれを公表しようとしたこと。それが襲撃の理由。
タイムマシンを奪い、オカリンたち3人を連れ去ることが目的でした。
詳しいことは、自分は下っ端だからよく分からないと。
「SERNのため、上司であるFBのためならどんなことでもやる」そう言う萌郁にカッとなり、いっそ今殺してしまおうかと思うオカリンでしたが……殺せません。
だって、オカリンは単なる大学生なんです。殺すどころか、人を傷つけたこともない。
なのに、どうしてこいつらは、簡単に人を……まゆりを殺せるんだ!?
怒りと悔しさと悲しみに、どうにかなってしまいそうなオカリン。
そんな時、萌郁の仲間が現れ、慌てて逃げ出します。
ラボに戻り、―――タイムリープ。

何度も何度も繰り返すタイムリープ。
しかし、どれだけやっても……まゆりは助けられません。
時間になると、どうしても死んでしまいます。
不思議なことに、その理由はSERNだけではありませんでした。時には、警官に撃たれ、時には知り合いの子どもに電車の前に突き飛ばされ……。
まるで、世界がまゆりを殺そうとしているようです。
どうすればいいのか。
どうしたら、世界なんてものを相手にして、まゆりを助けられるのか。
閉塞感と絶望感に、オカリンはもうどうすることもできず、ふらふらと街を彷徨い、疲れ果てて座り込んでしまいました。
疲れに、顔をあげることもできません。
………もうすぐ、また例の時間がやってきてしまいます。
まゆりの、死ぬ時間が。

「おい、こら、そこのDQN。通行の邪魔になってるくらいなら、私の買い出し付き合いなさいよ」
く、クリスううううううううううううううううううううううううううううう!!!(ぶわっっ)
夕日をバックに立つクリス。
もうもう、女神さまのようでした。わああああん助けてーーーっっ
オカリンとまゆりを助けてあげて;;
「駄目なんだ、俺じゃ……まゆりを助けられない」
食いしばった歯の間から、絞るように声を出すオカリン。
「助けてくれ、クリス……」
「………タイムリープをしてるのね。様子が変だと思った」
オカリンの前にしゃがみこんだクリスは、顔を覗き、真剣な顔で言いました。
「話してみて」
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